新着情報

2020中国国際旅游交易会が上海で開幕

2020-11-30

翻訳:陳 月縁

修正:須崎 孝子

監修:姚 武強

補筆・再構成:大橋 直人



2020年11月16日から18日にかけて、中国文化・観光部、中国民用航空局、上海市人民政府の共催による「2020中国国際観光交易会」が、上海新国際博覧中心で開催された。本交易会は、国内大循環を主体とし、国内と国際の双循環が相互に促進し合う新たな発展構造の構築を目指すものであり、経済の質の高い成長を推進する重要な取り組みである。また、これにより企業活動や生産活動の再開が加速し、文化・観光分野における消費ポテンシャルのさらなる発揮が期待されている。


展示エリアは多様化が進み、出展内容も豊富で、展示面積は45千平方メートルに達した。国内外から約1500が出展し、50余りの国・地域と、中国全国31の省・市・自治区が参加した。さらに、オンライン形式による「クラウド展示」を新たに導入し、国内外の観光業者に向けた交流・取引のプラットフォームを提供することで、「持続可能な国際観光交易会」の実現を目指している。


01.jpg


02.jpg

 

今回の交易会で、貴州省の展示エリアは起伏に富んだ山脈をモチーフにデザインされた。春の花、23℃の夏、秋の湿地、冬の雪景色が、山脈の曲線に沿って展開され、四季折々の貴州の魅力を表現している。会場に入るとまず目に飛び込むのは、次のスローガンである。


「赤水の大河が悠々と流れ、中国天眼(FAST)は静かに宇宙を見つめる。烏蒙山は天を衝くようにそびえ、絶景を尽くす。茅台の香りは友を酔わせ、文化の旅は貴州の大地で湧き上がる。」


この言葉からも、貴州省の豊かな文化と観光資源の多様性がうかがえる。


今年の展示では、民宿、農村観光、アウトドアスポーツ、南部スキー用品などが紹介された。さらに、貴州の伝統的な銀細工も展示され、その開発を加速させるとともに、ブランド化を推進。少数民族文化や無形文化遺産と融合させた新たな観光商品として来場者に披露された。

 

05.jpg


貴州省文化・旅游庁の李芳副庁長はインタビューに応じ、今年の特色商品や優遇政策を紹介するとともに、健康・養生観光や新型コロナウイルス対策、企業・生産活動の再開、さらには山岳観光などをめぐり、同省観光業の発展について率直に語った。

 

03.jpg


李芳副庁長は次のように述べている。「豊かな自然資源に恵まれた貴州省は、今後も山岳観光と健康・養生観光の発展を推進し、国際的に一流の山岳観光地、国内一流の健康・養生観光地の建設を目指していく。この二つの“一流”を基盤として、観光産業の質の高い発展を実現したい。」


国際山地旅游連盟(IMTA)の本部は貴州省に設置されており、同省では5年連続で国際山地旅游連盟大会が開催されている。国内外の参加者を招き、山岳観光の発展動向について議論が行われてきた。李副庁長は「IMTAは特に人材や知的資源の面で、我々の観光発展に力強い支援を提供している」と評価している。


また、貴州省には88県のうち77県に温泉が存在する。李副庁長は「観光客は温泉を楽しみ、民宿に滞在し、養生料理を味わうことができる。さらに、巨大な天然の酸素バーとも称される環境のなかで、さまざまなアウトドアスポーツに参加し、本格的な健康・養生レジャーを体験できる」とその魅力を語った。


04.jpg

 

さらに今年は、新型コロナウイルス感染症の防止対策を厳格に実施することを前提に、全国の観光客に向けて貴州観光の魅力を発信している。文化・旅游庁は「旅游新使命、健康新生活」をテーマに掲げ、一連の優遇政策を打ち出し、新たな観光形態を積極的に育成。レジャー、健康・養生、アウトドアスポーツを一層充実させ、「大健康観光」への新たな道を切り拓いている。



新型コロナウイルス感染症の発生以降、貴州省文化・旅游庁は企業・生産活動の再開を積極的に推進し、観光保証金の一時返還や観光発展基金を通じた支援など、一連の政策・措置を打ち出してきた。李副庁長は「これまで本省でコロナ禍により倒産した観光企業は一社もなく、10月には観光業が前年同期比92%まで回復した」と述べた。


さらに、社会的関心の高い貧困脱却について、李副庁長は次のように語った。

「貴州省は貧困支援の最前線であり、脱貧困人口が最も多い省でもあります。観光業はその過程で重要な役割を担ってきました。我々は農村観光の発展を通じて農村環境を改善し、住民の所得向上を図ることで、困難な脱貧困課題の克服を後押ししていきます。」