万峰林は総面積約2,000㎢に及び、無数の石灰岩の峰々が林立する壮大な景観を有している。
春になると、大地一面に菜の花が咲き誇り、まるで黄金の絨毯を敷き詰めたかのような光景が広がる。その眺めは「仙境」と称するにふさわしい絶景である。
万峰林一帯にはプイ族の村落が点在し、住民は今もなお伝統的な生活様式を守り続けている。
明代の著名な地理学者・旅行家である徐霞客は、二度にわたり興義を訪れ、万峰林を視察して高く評価した。彼は「天下に名山は数多くあれど、峰林はここにしかない。峰明々は切り立ち、遠くまで連なり、林立する姿はまるで竹の子のようだ」と詠じている。
補筆・再構成:大橋 直人