六盤水烏蒙山国家地質公園は2005年に設立された。園は大きく北盤江峡谷と碧雲洞の二区域に分かれ、さらに盤県大洞旧人類遺跡、盤県三畳紀海生生物化石群、金盆天生橋観光区、韮菜坪「黔の頂」景区、阿勒河観光区といった五つの特色ある景区によって構成されている。
園内にはカルスト地形、峡谷地形、山地高原地形など多様な地形が展開している。カルスト地形の代表的景観としては盤県碧雲洞が著名である。この鍾乳洞は全長4,740mにおよび、明代の旅行記『徐霞客遊記』には、約1,200字にわたってその鍾乳洞の様子が記録されている。
峡谷地形を代表する北盤江峡谷は、山頂から河面までの比高が1,200~1,700mに達し、その壮大な景観は圧倒的である。また、六盤水から北西へ約90km、標高2,900.3mに位置する韮菜坪は「黔の頂景区」と呼ばれ、烏蒙山脈の最高峰であり、貴州省内で最も標高が高いことから「貴州の屋根」とも称されている。
さらに盤県で発見された三畳紀の海生爬虫類化石は、約2億3,500万年前のもので、これまで世界で確認された三畳紀古生物化石の中でも最古級とされる。加えて、盤県大洞遺跡からは旧人類の歯の化石4本が出土しており、鑑定の結果、北京周口店の原人にきわめて近く、かつ早期ホモ・サピエンスの特徴を併せ持つことが判明している。
補筆・再構成:大橋 直人