大方奢香墓は、畢節地区大方県の郊外に位置しています。奢香(しゃこう、1358年生)は、イ族と漢族の融和に尽力したイ族の女性政治家です。彝族(イ族)の首長の娘として生まれた彼女は、酋長・艾緡(アイ・ツイ)の夫人となり、夫の死後にその地位を継承しました。
奢香は明代初期、中央政府による雲南開拓政策に深く関与し、明の太祖(初代皇帝)から正式な称号を授与されています。その活動は、地域社会の安定と民族間交流の促進に大きく寄与しました。
墓域内には博物館が設けられ、イ族の民族衣装や生活用品、文字資料などが展示されています。現在の墓は1985年に再建されたものです。
補筆・再構成:大橋 直人