銅仁市

麻陽河自然保護区

2018-06-04

麻陽河自然保護区は、貴州省沿河県城から約24km離れた大婁山山脈の北東部に位置し、沿河と務川の二県にまたがっています。本保護区は1987年に設立され、1994年に省級自然保護区に指定されました。さらに、2003年には中国国務院の批准を受けて国家級自然保護区に昇格し、翌2004年にはユネスコの「人と生物圏(MAB)計画」ネットワークにも登録されています。


総面積は約31,113ヘクタールに及び、森林被覆率は63%に達します。この豊かな森林生態系は、多様な野生動植物の生息環境を保持しており、特に国家一級重点保護動物である黒葉猴(くろはざる、François’s langur)の重要な生息地として知られています。黒葉猴は中国南西部からベトナム北部にかけて分布する霊長類で、森林伐採や生息地の断片化によって個体数が減少しているため、同保護区の存在は種の保存にとって極めて重要です。


麻陽河自然保護区は、生物多様性の保全と生態系サービスの維持において大きな役割を担っており、また地域社会にとっても持続可能な発展と自然資源の共生利用を模索する場となっています。



補筆・再構成:大橋 直人