銅仁市

銅仁市

2018-06-03

銅仁市は、貴州省東部に位置し、武陵山脈の山間部を流れる辰渓(しんけい/辰水)の上流域にあたります。現在の市街地人口は約26万人で、1987年に県級市から地級市へと昇格し、市制が施行されました。


銅仁は地理的に貴州と湖南・重慶・湖北を結ぶ交通の要衝にあり、古来より東西南北を結ぶ交流拠点として機能してきました。また、周辺地域には苗族・トゥチャ族など少数民族が多く居住し、多彩な民族文化が共存する都市でもあります。とりわけ宗教文化においては、銅仁は中国カトリック史上でも重要な地位を占めており、17世紀に布教活動が行われて以来、カトリック信者の多い地域として知られています。


さらに、銅仁市の周辺には自然景観や観光資源が豊富に存在します。代表的なものとして、梵浄山(ぼんじょうさん/Fanjingshan)が挙げられます。梵浄山はユネスコ世界自然遺産(2018年登録)に指定されており、独特の丹霞地形や原始的な森林植生、貴重な生態系を保持することで国際的にも注目を集めています。


このように銅仁市は、歴史的には文化・宗教・交通の結節点であり、現代においても観光・民族文化研究・宗教史の観点から高い学術的価値を持つ都市といえます。



補筆・再構成:大橋 直人