黔南州

平塘国家地質公園

2018-06-04

平塘国家地質公園は、広西チワン族自治区の九万大山と貴州省南部平塘県の山岳地帯との接合部に位置し、総面積は約350㎢に及ぶ。園域の約80%を炭酸塩岩地帯が占め、カルスト地形が顕著に発達している。滝や鍾乳洞、原始林、さらには地下水脈など、多様な地形・生態資源が観光および学術的価値を形成している。


主要な見どころとしては、アジア最大規模の地下河川として知られる「覇王河」や、中国における落水洞群の中で最大の規模を誇る「窩塘(ウォータン)落水洞群」が挙げられる。同洞群は総面積約100㎢に及び、平均すると1㎢あたり3~4か所の落水洞が確認されるという高密度な分布を特徴とする。また、本地域は世界最大級の電波望遠鏡建設地としても注目を集めている。


大窩塘落水洞群観光区は、掌布観光区・龍塘湖観光区・拉安観光区・大窩塘観光区・玉水金盆観光区・六都甲青観光区・甲茶観光区の七つの区域から構成され、それぞれ異なる景観や資源を有している。


さらに、平塘県は温暖な気候に恵まれ、茶の栽培が盛んである。茶畑の総面積は約2,500ヘクタールに達し、毎年旧暦の正月頃には茶葉の収穫が可能であることから、「貴州春茶の都」と称されている。



補筆・再構成:大橋 直人