安順市は、貴州省西南部の中心都市であり、貴陽市から約105kmに位置します。市域は烏江の支流である猫跳河の上流域に広がっています。戦国時代には夜郎国の領域に属し、明代に「安順州」と改称されました。その後、1958年に正式に地級市として設置されています。
安順は古くから茶の産地として知られ、良質な茶葉の生産が盛んです。また、同地に伝わる民族風のろうけつ染め(蝋染)は、2000年以上の歴史を持つ伝統工芸として高く評価されています。さらに、市域周辺100km圏内には、黄果樹瀑布、龍宮、百里杜鵑、馬嶺河など、世界的にも知られる景勝地が点在し、観光資源に恵まれた地域となっています。
現在の人口は約65万人であり、歴史・文化・自然景観の三要素を兼ね備えた都市として発展を続けています。
補筆・再構成:大橋 直人