龍宮は、安順市南部から約27kmの地点に位置し、総面積は約60平方キロメートルに及びます。区域は龍宮・油菜湖など4つの観光区と32の景勝地から構成されており、その景観美から「小桂林」と称されています。ここではカルスト地形特有の峰叢(ほうそう)が展開し、ラクダのこぶのような山々が連なり、重層的な遠近感を生み出しており、まるで中国山水画を思わせる趣を備えています。
龍宮の特色は、90を超える水流を伴う鍾乳洞と、全長約15kmに及ぶ地下河川にあります。そのうち景観観賞が可能な主要部分は約5kmにわたり、中国国内の地下河としては最長規模を誇ります。観光客は手漕ぎ舟に乗って洞内を進み、多様な形態を示す鍾乳石や石筍が織り成す幽玄な景観を鑑賞することができます。
さらに、洞内には「龍門飛瀑」と呼ばれる高さ38mの滝があり、これは中国における洞窟内滝として最大規模を有するものです。こうした景観要素の重なりにより、龍宮は自然地理学的にも観光資源としても極めて高い価値を持つ景勝地となっています。
補筆・再構成:大橋 直人