寛闊水自然保護区は、貴州省綏陽県城から約52km離れた旺草区・黄梘区・寛闊区の境界に位置し、標高1300〜1751mの範囲に広がる自然保護地域である。1989年に設立され、2007年には国家級自然保護区に指定された。保護区は南北に約8km、東西に約3kmに及び、その面積は26,231ヘクタールに達する。森林被覆率は87.6%を誇り、原生的な亮葉イヌブナ林をはじめとする典型的な亜熱帯生態系が保持されている。
西側には寛闊水河と乾河溝河が流れ、途中で合流して羊岩河となり、さらに芙蓉江へと注ぐ。寛闊水ダムからは清澄な水が湧き出し、その周囲は鬱蒼たる森林に抱かれている。保護区内には、天星橋の鐘乳洞や滴水岩の滝、太陽山の雲海に浮かぶ日の出、槽谷峰山頂から望むカルスト地形など、多様な自然景観が展開する。また、ハンカチノキや一面に咲き誇るシャクナゲの群落は、季節ごとに異なる景観美を生み出しており、訪れる人々を魅了してやまない。
補筆・再構成:大橋 直人