習水中亜熱帯常緑照葉林国家級自然保護区は、貴州省習水県の行政区域内に位置し、遵義市から約229kmの距離にあります。本保護区は1992年に設立され、1995年に中国国務院の批准を受けて国家級自然保護区に指定されました。さらに2005年には「中国人と生物圏保護区ネットワーク(MAB-China)」に加盟し、現在も中亜熱帯常緑照葉林の保全を主たる目的としています。
保護区の総面積は48,666ヘクタールに及び、地球上の同緯度帯ではほとんど見られない亜熱帯常緑照葉林の生態系を研究・保全する拠点となっています。また、貴州省内においても最大規模の自然保護区の一つに数えられます。
地質的には、白亜紀に形成された赤色砂岩や泥岩を基盤とし、険峻な山岳地形が幾重にも連なる点に特徴があります。保護区内には長嵌溝(ちょうかんこう)や三岔河(さんさが)など、地形的・景観的に重要な地点も含まれています。
補筆・再構成:大橋 直人