遵義市

遵義会議会址

2018-06-03

1935年1月、遵義は長征途上の中国共産党にとって歴史的転機を迎えた地である。紅花崗区老城の中心部に位置するこの建築は、二階建ての木造楼閣で、中国伝統様式と西洋建築の要素を折衷的に取り入れている。もとは国民党軍師団長・柏輝章の私邸であったが、紅軍が天険として知られる烏江を突破し遵義を占領した際、ここで後に「遵義会議」と呼ばれる重要な会議が開催された。


会議では、毛沢東がそれまで批判されていた軍事指導の正当性を認められ、指導的地位を確立する契機となった。出席者には、毛沢東のほか、周恩来、朱徳、鄧小平など、中国共産党を代表する指導者が名を連ねており、中国革命史上、極めて重要な節目を刻んだ会議とされる。今日、この建築は「遵義会議会址」として保存され、長征の歴史を象徴する記念的建造物となっている。



補筆・再構成:大橋 直人