遵義市は、中国貴州省北部に位置し、大婁山脈の東南部に広がる地域の中心都市である。現在は紅花崗区をはじめ、12の県および県級市を管轄している。人口は約35万人で、1949年に市として正式に設置された。
同市は、近代中国史における重要な歴史的舞台としても知られる。とりわけ1935年、中国共産党が長征の途上で開いた「遵義会議」の旧跡は、国内外から多くの研究者や観光客を惹きつけている。また、明代の文臣である楊粲の墓や、仏教寺院である桃渓寺、さらには古戦場として名高い婁山関など、多様な歴史・文化資源を擁している。
さらに、遵義市周辺にはサロ自然保護区があり、貴州高原特有の生態系を維持する貴重な自然環境が残されている。これらの要素は、同市を単なる地方都市にとどまらず、歴史学・文化研究・生態学における重要な研究対象と位置づけている。
補筆・再構成:大橋 直人