貴陽市

鎮山布依族生態博物館

2018-06-04


鎮山村は、貴州省の省都・貴陽市から南西へ約21キロメートル、さらに花渓からおよそ15キロメートル離れた場所に位置し、総面積は約3.8平方キロメートルに及ぶ。村の成立は明代万暦年間(1573–1620)にさかのぼるとされる。伝承によれば、江西から軍を率いて貴州に赴いた李姓の将軍が鎮山村付近に駐屯した際、当地の布依族(プイ族)の「班」姓の家に婿入りしたことが契機となり、その後、村の戸籍の大半は「班」または「李」の姓を持つようになったという。


2000年、鎮山村は布依族文化の保存と継承を目的として「布依族生態博物館」に指定された。「生態博物館」とは、従来の展示施設とは異なり、地域社会全体を博物館的空間として捉え、住民の生活・習俗・自然環境を含めて文化を保護する試みである。


村は山上集落と山下集落の二つに大別され、山上では布依族特有の石造建築が見られる。一方、山下の住居群は、薄い石板を幾重にも重ねた屋根を特徴とし、地域の自然資源を巧みに利用した建築様式の好例となっている。



補筆・再構成:大橋 直人