南郊公園は「地下公園」とも呼ばれ、その最大の見どころは特異な形状を示す鍾乳洞群である。とりわけ、全長587メートルにおよぶ白龍洞(はくりゅうどう)はよく知られており、幻想的な地底景観を楽しむことができる。鍾乳洞は石灰岩が長い年月をかけて雨水や地下水によって侵食・溶解されることで形成されたものであり、その内部には鍾乳石や石筍、石柱など多様な二次生成物が見られる。
洞窟を抜けると、一転して園内には緑豊かな景観が広がり、地上と地下とで大きく異なる自然環境を一度に体感できる点も、この公園の特色である。地質学的な学術価値と観光的魅力を兼ね備えた場所として、多くの来訪者を惹きつけている。
補筆・再構成:大橋 直人