翻訳:陳 応梅
修正:宮澤 詩帆
指導:王 暁梅、楊 梅竹
監修:姚 武強
ミャオ族の伝統音楽
ミャオ族の飛歌
「飛歌」とはミャオ族の民族音楽の一種で、中部方言ミャオ族の苗語では「HXak Yeet」と呼びます。貴州省の台江、剣河、凱里などの一帯で歌われています。飛歌の音調は高く、豪快奔放で、明るく、歌う時は谷に響き渡り、強い感染力があります。飛歌は、おめでたい、迎送などの大衆の場でよく歌われ、物を見て即興、現編で歌うことも多いです。歌詞の内容は称賛、感謝、鼓舞の類を主とし、苗年を過ぎ、ドラゴンボートを漕ぐなどの祝日イベントの際には、よく飛歌を歌い、その代表的なものとして『故郷を賛美する歌』、『祝福歌』などがあります。
ミャオ族の古歌
ミャオ族の古歌を歌う時には厳格な決まりがあります。先祖を祭る、葬儀、親友の集まりや祭りなどの重大な場面で歌うのが一般的であり、歌う者の多くは中高年者、魔法使い、歌手などです。古歌は『金銀歌』、『古楓歌』、『蝶歌』、『洪水滔天』、『遡河西遷』の5つの部分からなります。ミャオ族古歌は原始神話伝説に基づいて次第に発展してきたものであり、ミャオ族古代先人が長期的な生産労働の中で創造した史詩です。歌詞は神話伝説を、盤歌のような一問一答形式で歌い上げる内容になっています。ミャオ族の祖先の天地形成、万物の発生、人類の起源、民族移動に対する認識、ミャオ族の古代社会制度と日常生産生活などを反映しており、ミャオ族の古代神話や自然現象や歴史現象の解釈する手掛かりになっています。
ミャオ族の舞踊
ミャオ族の民間舞踊は蘆笙舞、銅鼓舞、反排木鼓舞、錦鶏舞、湘西鼓舞、板笙舞と古テントウ舞などがあり、特に蘆笙舞で最も広く伝えられています。
蘆笙舞
ミャオ族の代表的な舞踊であり、ミャオ族の人々が最も好きな民間舞踊でもあります。蘆笙舞は基本的に大衆性蘆笙舞、演技性蘆笙舞と風俗性蘆笙舞の3種類に分けられます。
一番目の大衆性蘆笙舞は、苗家の最も広く流行している蘆笙舞です。祝日になると、人々は蘆場に押し寄せ、巨大な蘆隊の伴奏で踊ります。蘆隊は「一」の字隊形を保ち、その場で吹奏し、群衆は蘆笙隊を真ん中に囲んで踊ります。男の動きはスマートで、女は軽やかで美しく舞います。娘たちの体の動きに合わせて、身につけていた銀飾りが和やかな音を立てます。
二番目の演技性蘆笙舞は、男性が吹きながら踊る演技性蘆笙舞です。この蘆笙舞は集会や祝日の演技試合の一形式で、ダンスの曲は明るく、リズムが強く、動作テクニックが複雑で、一部の人だけが踊ることができます。
三番目は苗家族が「花踊り」と「月踊り」と呼ぶ風俗的な蘆笙舞です。青年男女の恋愛活動を反映した群舞です。普通は青年男女だけが参加し、男青年は踊りながら美しい蘆笙曲を吹奏します。優美な蘆笙曲とともに、娘は踊りながら自分が丁寧に刺繍した花帯を、好きな男の蘆笙にくくりつけ、自分が花帯を引いたもう一頭を男青年につけて踊ります。
ミャオ族の銅鼓舞
「ノンニウ」(直訳すれば鼓を食べるという意味)「苗年」「蘆祭」のような盛大な祝日で披露されることが多い舞です。銅鼓舞は、太鼓手がリズム的にドラムを打ち、ドラム点のリズム変化によってダンサーの動作や隊形変化を引き起こす舞踊です。その特徴的な動作はその形式で六七十種類あります。動作ごとにステップやテンポが異なり、スタイルが異なります。銅鼓舞の中の集団ダンスは、若い男女で丸隊形や半円形、一字状、四角、交差の形になって踊ります。ステップは力強く、ダンスの姿は粗野で柔軟で、動作幅が大きく、気持ちが高まる踊りです。踊りが最高潮に達し、踊り手がジャンプする時、太古手はよく陽気な声を発します。人々の豪放で素朴な性格を十分に体現し、彼らの純潔で楽しい思想感情を表現した舞です。
反排木鼓舞
反排木鼓舞は鼓の踊りです。特殊なリズムと法則があり、そのリズムは二四拍子です。ダンスは「牛高抖」、「牛扎厦」、「厦地福」、「高抖大」、「扎厦缛」の5つの章から構成されています。「牛高抖」とは、以前の祖先が東から西へ移動する時、山を越えて水を渡り、いばらを切り、昼夜兼行の困難な状況を表現しています。「牛高抖」のステップ:左右に一歩ずつジャンプし、四歩目に回転します。「牛扎厦」とは、移動行程を指導する先祖への懐かしさを表していいます。4ステップから5ステップ目までジャンプするたびに回転するのが特徴です。「厦地福」は、遠方の兄弟や親戚や友人の楽しく集まって踊ることを表します。
錦鶏舞
錦鶏舞はミャオ族の12年に1回行われる先祖祭祀活動における主要な舞踊形式です。民間の結婚式、お客様を迎えるとき、青年男女の月踊りなどでも、錦鶏舞を披露することが多いです。錦鶏舞は蘆笙を伴奏にして、踊り手の女性は髪型を高く結い、頭に錦鶏銀飾りを挿し、刺繍の超短いプリーツスカートを着て、銀項輪のブレスレットをフルセットにして、足は先の刺繍靴を履いて、美しい錦鶏のように着飾ります。民間錦鶏舞は特大サイズ、大サイズ、Mサイズ、Sサイズなどの4本の規格の異なる蘆笙を主に楽器を吹奏します。民間錦鶏舞の蘆笙は曲調が豊富で、百曲以上の楽曲があり、軽快で滑らかで、優美に演奏されています。踊り手は反時計回りに円を回して踊ります。女性の頭上の錦鶏銀飾りが飛びそうになり、ひらひらと踊るダンサーの足取りは軽やかで、錦鶏が採餌をしている様子に似ています。